2018年07月02日

男友達

 ここ二・三日、向田邦子の作品を読み返しています。何度目になるのでしょうか、五・六度は読み返しています。作品によっては何十回、百回近く読んでいるエッセイもあります。しかし、読み返すたびに何かを発見し、胸がじんとくるのです。
 今朝、出勤の電車の中で、「夜の体操」というエッセイを読み終えて、ふと気が付いたのです。この中に出てくる友人を、私はずっと女性だと思っていました。しかし、文の流れの端々に男性の匂いを嗅いだのです。五・六回は読み返しているエッセイでしたが、そう思ったのは今回が初めてでした。初めてですが、何か確信めいたものさえ感じてしまったのです。文中にある何気ない会話「ことではないのかなあ」この言い回しは女性ではない。針金細工のような不器用な動き、このフレーズで友達は男友達であることは紛れもないことと強く思えたのです。そしてこの友達に深い愛情と、明日をも知れぬ恋人の存在を匂わすように、沈丁花の甘く切ない香りを文中に漂わせたのだろうと、今頃になって思い至ったのです。
posted by nikki at 06:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする