2020年03月16日

箱 自慢

 沢山の人を集めて催す茶会を「大寄せ」と言います。200人、300人あるときは500人という大寄せの茶会もあります。 そんな大寄せの茶会に行くと、茶席の一隅に茶碗や花入れ、茶杓などを入れる箱の蓋を並べているところがあります。その箱蓋の裏に家元の花押などが書かれていて(「箱書き」と言っています)、それを見せるために並べているのです。並べると言ってはいけないのかも知れません。飾ってあるのです。
なぜ、箱の蓋裏等に花押などを認めるのかと言えば、その箱に入っている茶道具は素晴らしい物だとお墨付きを与える証なのです。まあ、一種の道具の保証書のような働きをするもので、その箱書きがあるとなしとでは、同じものでも値段がぐんと高くなります。箱書きがあれば、良い物イコール値段が高い物と言うことを暗に示しているのです。
 主である道具そのものをじっくりと拝見するよりも、入れ物の箱書きを有り難がって見る人が沢山いて、その人達は、箱書きが多ければ多いほど素晴らしい茶会と思っている節があります。箱は飽くまでも脇役ですが、箱書きは虚栄心を擽る物でもあるようで、箱書きが無いものはつまらない物とさえ思っている人もいるようです。
 中身ではなく外側だけを見ていると、自分の審美眼は磨かれないと思うのですが、如何なものでしょうか。
posted by nikki at 06:40| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする