2021年05月01日

津軽の女性

 テレビで音楽番組を観ていました。演歌が主な番組の中で、新曲の紹介コーナーというのがあり、女性歌手が曲名を言いました。演歌には「津軽」という言葉が付く曲が多いですが、その新曲も「津軽」が曲名に入っていました。内容は御多分に漏れず、叶わぬ恋に泣き濡れる女性の心情を切々と歌うものでした。曲の良し悪しや好き嫌いはさておいて、この新曲に限らず、津軽の女性は、悲劇の女性が殆どです。幸せな津軽の女性が出てくる演歌は聞いたことがありません。しかし津軽には、幸せな女性も一杯いますよ。両思いで幸福な女性。好きな人と結婚して素敵な家庭を築いている女性等々。ですから、津軽は悲恋の女性が似合う所などと思い込まないで下さい。明るく美しい女性は、津軽にも沢山いるのです。そんな幸せな津軽女性の歌も聴きたいものですね。
posted by nikki at 06:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月10日

匂蕃茉莉(ニオイバンマツリ)

 我が家の玄関脇に植栽している匂蕃茉莉(ニオイバンマツリ)の花が、咲き始めました。五弁の小花で、咲き始めは濃紫、時間が経つに従って白色になり、やがて散る花です。豊かな香りは、くらくらするほど濃密に甘く、花に近付いて嗅ぐと胸に蟠るほどで、腐臭さえ感じてしまうのです。この花に初めて出会ったのは、東京に転居してからです。物語のヒントを探しながら本郷四丁目あたりの路地を歩いていた時でした。甘やかな匂いに誘われ、木造仕舞屋の生垣に咲く小花に近付き、大きく息を吸い込んだのです。その途端、胸がむかつくほどの臭気を感じ、私は思わず咽せました。その匂いはとても強烈な印象で、何時までも鼻について離れなかったのです。帰りの地下鉄の中で、その香りに誘われるようにして、一つの物語の構想が思い浮かびました。その小説は『夢の名』(『青函“考”路』2020年号)として発表しました。因みに「夢の名」とは、匂蕃茉莉の花言葉です。
posted by nikki at 06:08| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月16日

『鏡子の家』

 高校時代から三島由紀夫の作品を読み漁っていた自分ですが、どうしても読み切れない小説がありました。それが『鏡子の家』でした。何が理由で、読み切れなかったのかと聞かれても、その理由は自分でも分かりません。途中まで読んで、ずっと擲っていた小説でした。その『鏡子の家』を最近、読み返してみました。すると、なんとも深いストーリー展開と、鏡子の家に集う四人の青年達一人一人の設定が、それぞれ一編の小説になっていることに驚きました。そして、三島由紀夫の美意識、更には何故、45歳にして自ら命を絶たなければならなかったのか、その糸口の一端が、小説の中で語られているように感じました。また、深層部分での太宰治の否定を、独りよがりとは思いつつも感じたのも事実です。今回『鏡子の家』は、自分の中の青臭い感性が、今以て息づいていることを教えてくれたように思いました。
 これから数年の時を経て、また読み返して見たら、その時は、どんなことを感じるのかと思うこの頃です。
posted by nikki at 08:15| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする