2019年10月21日

ファー(Fur)の襟巻き

 日本の着物は、暦の上で着る素材や仕立て方(袷か単衣か)が決められています。お茶では、それが口うるさく言われ、その習慣から外れると、着物の常識を知らない等と様々な指摘を受けることもあります。昨今、そのような和服のしきたりも、大分フレキシブルになっているように思えますが、まだまだ暦通りに着物を着ている人達が大半です。勿論暦通りで、過ごし易いのならば、何も問題はありません。
 五月はこれまでの習慣から言えば、まだ袷の時期、しかし昨今の五月は、気温が高く夏日など珍しくありません。暦通りに袷を着ていると、暑さで体具合が悪くなります。私は五月であれ四月であれ、気温が高い時は、一足早く単衣の着物を着ます。同様に六月に入って間もなくの頃、その日の温度によっては、薄物を着ることにしています。衣服は、暦で着るのではなく、その日の温度や湿度などを考慮して着ることが大切です。それは健康面でも大切な事でしょう。
 9月下旬の先日、初冬到来を思わせるように肌寒い日がありました。新宿通りを歩いている時、外国の女性の方が、仕立ての良い秋冬用のシャネルスーツに、なんと襟にはファーの小ぶりな襟巻きをして颯爽として歩いているのに出会いました。9月のファーが一足早いお洒落を醸し出していて、思わずセンスの良さに目を見張りました。ファーは12月に入ったあたりからと思い勝ちですが、そんなことに捕らわれることなく気候にマッチしたお洒落は、とても素敵で粋にさえ感じました。
 暦ではなく気候に合わせた装いの醍醐味を見た思いでした。
posted by nikki at 08:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする