2020年08月23日

お辞儀

 若き藤井棋士の対局者は大概の場合、キャリアの面でも年齢的にも上の方です。対局時、将棋盤を前にした互礼の際の藤井棋士は、相手よりも深く長いお辞儀をしています。正に、「長幼の序」の弁えを感じる美しい場面です。それから、将棋盤の上での対等な闘いが開始されるのです。 現職を退いてから結婚披露宴に招かれることが少なくなりましたが、40歳から定年間際までの期間は、毎年1回、多い時には数回のご招待がありました。
 結婚披露宴に参列して気になることがありました。披露宴の最初、花嫁が父親に伴われて、雛壇の花婿の所まで行き、そこで父親が娘を花婿に引き渡す場面。ほとんど、父親よりも花婿の頭が高いのです。今まで手塩に掛け大事に育ててきた愛しき娘を、くれぐれも末永くよろしくとの気持ちが籠もり、父親の礼は深くなるのでしょう。一方の花婿は緊張もあるのでしょうが有頂天気味で、大事な娘さんを託されるという思いが感じられない礼が多いのです。それが、双方の礼における頭の高さの違いに出るのかも知れません。
 ある若者に披露宴のご案内をいただいた時、長幼の序のお話をしながら、父親との互礼の時には、意図して相手の父親よりも深くそして長く礼をして欲しいと、言わせて頂いたことがありました。件の若者は、披露宴の時、私のお願い通りのお辞儀をしてくれました。そんな彼は、初々しくそして清々しい新郎として輝いていました。
posted by nikki at 13:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする